俺はなおも「??」と思ったが
向かいにいるお父さんじゃないらしい初老の男性も
照れたようににこにこしている。
わけがわからないので母親の方に
「美人のお姉さんに会ってみたかったです」
と愛想笑いしてみた。
そしたら急に母親はバン!と箸を置いて
「そう思うなら、何で真っ先に仏間に行かないんですか!!」
と怒鳴った。
ますます「???」な俺。
母親が怒鳴りつづける内容を聞いていると、
居間の隣に仏間があって
まず「お線香をあげさせてください」と
申し出るのが礼儀だろうということだった。
俺はただ「すいません」と言うしかなく
食事の途中だったが
仏壇にお線香をあげさせて下さいと言った。
仏壇には四つ位牌が並んでいた。
彼女の祖父母と、父と、姉だそうだった。