授業後。職員室。
スコットはいつも通りチェックのシャツ姿で俺を待っていた。
俺を見ると来いと言うように手招きをし、近くにあった椅子に座れというジェスチャーをしてくる。
ス「タバコいい?」
男「いっすよ」
ス「悪いな」カチッ
ス「フゥー、お前さぁ大学東京の大学考えてんだろ?」
男「はい、まぁ一応は」
ス「んでまぁそこそこ難関なわけでしょ?」
男「はい」
ス「んでまぁ夏期講習は一応は映像で後から追い付けるとはいえ、ね?」
男「はい」
ス「来てもらわないとさ」
ス「まぁ二年の夏からもう勝負なわけだから、しっかりね」
男「はい、すいませんでした」
ここでスコットは一度息をつくと、俺の方を見てもう一本いいか聞いてくる。
俺が頷くとやたら細長いタバコをまたゆっくりと吸い出す。
ス「フゥー、んでまぁここまでは塾の教師としての話でさ」
男「?」
ス「まぁ一人のお兄さん的にはね」
男「おっさん的には」
ス「まぁどっちでもいいけどお兄さん的にはね、夏休みは遊んでいいと思うの」
男「はぁ」