ス「いやだって受験勉強って別に来年からでも間に合うし、最悪再来年もできるしね」
男「いやですけど」
ス「俺は二年してるしね」
男「うわ」
ス「特にお前は地元離れるわけじゃん?」
ス「だからさ、なるべく後悔しないようにしてほしいの、お兄さんは」
男「スコット……」
ス「まぁそんだけ、楽しめよ夏休み」
そこまで言うとスコットは三本目のタバコに火をつける。
男「はいありがとうございます」
ス「なに、いいってことよ」
無駄にかっこのついた仕草で手を振る。
塾から出てスマホを見ると女さんからLINEが来ていた。
『今度私も遊び誘ってね!』
『あと既読無視禁止!ゼッタイ!』
男「善処しますっと」
何故か少しにやけてしまう。
夏休み二日目。
まだまだ夏休みは始まったばかりだった。