男「ん?」
友「それ食ってから行こう」
男「いやでも」
友「いいから、俺はお前とはぐれたかったって言ったろ?」
男「あれガチだったのかよ……」
友「いいから食え、話がある」
二人で無言でそばをすする。
人混みは少し減っていた。
どうやら皆花火会場に向かっているようだ。
友「お前さ」
友が口を開く。
男「うん」
友「東京の大学行くんだろ?」
男「うん」
男「お前に言ったっけ?」
友「聞いてねぇよ」
友が少し怒ったような口調で答える。
友「東京行くとは聞いてねぇよ」
男「……わりぃ」
友「ついこないだ女さんから聞いたとき俺はショックだったんよ」
男「うん」
友「なんだかんだ言って受験が終わったらさ」
友「お前も地元に残っててさ、また普通にあそんだりとか出来ると思ってたんだよ」
友「今日みたいに皆で」