しんのすけ「ん…う~ん」
みさえ「あら、しんちゃん。起きた?」
しんのすけ「ん?…なんだかあちゃんか。せっかくキレイなお姉さんにひざまくらしてもらってる夢をみてたのに。」
みさえ「私で悪かったわね…。」
ひろし「ははははっ、しんのすけ残念だったな。」
しんのすけ「あれ?父ちゃん、目があかいゾ。どうかしたの?」
ひろし「え?いや、なんでもないさ。父ちゃん仕事で疲れちゃって眠いんだよ」
しんのすけ「ほぅほぅ」
みさえ「しんちゃん、今日はもう遅いから帰りなさい。」
ひろし「そうだな、まだ飯も食ってないしな。」
しんのすけ「やれやれ、しかたありませんなあ」
みさえ「ほら、これ。お家に帰ってから食べなさい。」
そういって病室の冷蔵庫から白い箱を取り出し、しんのすけに渡した。
しんのすけ「おお!この匂いは!!」
みさえ「うふふ」
しんのすけ「うわーい!うわーい!かあちゃんってばフトモモ~」
ひろし「ほら、帰るぞしんのすけ!」
しんのすけ「ほい!」
2人が帰ると
途端に部屋が静かになり
寂しさに襲われる。
今日は、
いつもより1人でいるのが辛い
そう感じるみさえだった。
――翌日
みさえは医師にすべてを話した。
もう病気を隠す必要はない、これからも元気な赤ちゃんを産むために協力してほしい。と
医師「大変失礼なことをしました。」
みさえ「いえ、それで今日は?」
医師「はい。え~、お腹の赤ちゃんは順調に成長しています。また、栄養剤と称して打っていた痛み止めのおかげで癌による痛みも少ないかと思います。」
みさえ「はい。」
医師「見る限り、経過は順調です。この調子であれば大丈夫でしょう。」
みさえ「本当ですか!」
医師「ええ、それで今日はいよいよ赤ちゃんの様子を見てみたいと思います。その際、性別も判断できるでしょう。」
男の子か女の子か、
どちらでも嬉しい。
元気に生まれてきてくれれば!
けど、どちらかと言えば
みさえは女の子の方がいいと思っていた。