「たいも!たいも!」
「おおっ、ひまもかあちゃんをお守りするって!」
「…ありがとう」
「それじゃかあちゃん、また来るゾ~」
元気良く走り去るしんのすけ
「いつの間にかおっきくなっちゃって…」
その後ろ姿に頼もしさを覚えたみさえだった
一ヶ月後
みさえは今だ病室だ
しかし一つ大きな違いがある
みさえの髪は全て抜け落ちてしまっている
抗がん剤の副作用だ
「かあちゃ~ん!」
「しんのすけ!病院では静かにしなさい!」
「まぁまぁ、しんのすけだってさびしいんだろう」
病室に幼稚園の制服を着たしんのすけ、スーツ姿のひろし、ひまわりが入って来る
「今日はかあちゃんにお土産があるゾ」
「あらなにかしら」
「キャン!」
「し、シロ!」
「シロもかあちゃんに会いたいって言ってたから…」
「しんのすけ…」
「くぅ~ん…」
みさえの頬を舐めるシロ
「シロ…ありがと、しんのすけをよろしくね」
シロの頭を撫でるみさえ
気持ち良さそうなシロ