男「当たった…」
幼馴染「何が?」
男「年賀状のくじだよ…折りたたみ自転車!」
幼馴染「え!?嘘!!見せてぇっ!!」
絶対痛いだろう。痛み止めも効きにくくなってきただろう。
それでも彼女は幸せそうだった。
折りたたみ自転車、間に合うといいんだけど。
:
2月
彼女はもう歩くにも俺の力が必要になった。それでも全然幸せだ。生きているんだから。
その頃から、俺と幼馴染は寝るとき、互いに「おやすみ」と言うようになった。
そして、14日
:
朝からカチャカチャ音がする。
台所にあいつがいた。
男「立てるのか!?」
幼馴染「んーん」
なんだ椅子に座って…何してるんだ?
作業を覗き混む。
クリーム色のペーストがボウルの中で踊っていた。
幼馴染「今日はバレンタインでしょ?」
男「そっか…」
ボウルにチョコが足された。生地の色ががたちまちのうちに変化した。
