恐らくどれかに下着類が収納されている筈だ。
あのガリ勉が、普段どんな下着を着けてるか。
全く想像もつかない。そもそも興味なかった。
でも、メガネなしの素顔は、わりとイケてた。
「何してるの?」
「いや、別に、なにも!」
戸棚に手を伸ばすと、ガリ勉が戻ってきた。
「今、戸棚を物色しようとしてなかった?」
「ま、漫画を片付けてやろうと思ってさ」
「まさか、中身を読んでないでしょうね?」
言い訳に少女漫画を利用すると、睨まれた。
「よ、読んでません! 神に誓って!」
「……それなら、いいけど」
まあ、読まなくても大体中身はわかるけどな。
「はい、お茶。紅茶で良かった?」
「あ、どうも。これはこれは結構なお点前で」
ようやく本来の使い方で、俺は紅茶を褒めた。