「ここが私の部屋」
「ほほう。これはこれは、結構なお点前で……」
「はあ?」
部屋に通されるといい匂いがして、錯乱状態。
「お茶が飲みたいの? 図々しい男ね」
「あ、いえ、お構いなく……」
「そこに座って待ってなさい」
どうも茶を催促されたと思ったらしく。
ガリ勉は一旦退室して、取り残された。
クッションの上に独り、体育座りで待機。
またしてもキョロキョロ。綺麗な部屋だ。
読みかけの漫画だけが、床に伏せられている。
どうやら少女漫画らしく、とても意外だった。
びっくりだ。あいつもこんなものを読むのか。
物が少ないように見えるのは収納が多い証拠。
壁一面に、収納棚の扉があり、興味が湧いた。