俺「なんでそれで出て行くわけ。
言えばいいだろ、隠すことじゃないじゃん」
美咲「じゃあスラ男が結婚のこと取り合ってくれない状況で
デキたこと言ったらどうしてた?」
俺「もちろん結婚を決めた。
喜ぶべきことだろ」
美咲「やっぱり…w」
こぼすようにそう言った美咲は、悲しそうに笑った。
もうなにがなんだかさっぱりだった。
美咲がなにを考えていて、なにを伝えたいのか、全然分からなくなっていた。
新しい命が美咲のおなかの中に宿って嬉しいはずなのに、どうして2人で喜ぶことができないのか。
俺「やっぱりってなんだよ」
美咲「結局スラ男にとってはわたしと結婚したいから、じゃなくて
子供ができたから責任とるって意味での結婚になるわけでしょ。
嫌じゃん、子供を理由にして結婚を迫るみたいでさ。
だから言えなかったの、どうしていいか分かんないの」
嗚咽まじりに話す美咲。
こんなにたくさんのことを抱えていただなんて想像もしてなかった。
気付いてやれないのはまだしも、美咲を追いつめていたのは俺だった。