女「男くんって割と思いつめるタイプだから、やっぱり不安にはなるよ」
女「私に心配かけまいとして、無理に気丈に振舞ってるんじゃないかって、疑わずにはいられない」
男「………その気持ちだけで、十分だよ」
男「確かに、俺は一人で思いつめることもいろいろあったりするけど」
男「俺が話したいと思ったときは、ちゃんとお前に話しているつもりだ」
女「…………」
男「つまりな、俺が何も言わないってことは……俺が、何も話したくないってことなんだ」
男「だから、待っていてくれないか」
男「俺がお前に打ち明けるのを」
男「俺が今、溜め込んでいるもん全部、いつかはお前にも話してやるから……さ」
女「……わかったよ」
女「今は、そういうことにしておいてあげる」
【家】
男「…………女が見た俺、委員長が見た俺……」
男「俺じゃない、俺に似たナニカ……」
男「……まさかな、まさか……」
男「……………………」
妹「……お兄ちゃーん、いるー?」ガチャリ
男「うわぁっ!?」
妹「きゃっ!?」
男「い、い、妹……!ノックもなしで部屋を開けるな!学校で習ったろ!」
妹「し、したもん!お兄ちゃんが呼んでも呼んでも返事しないのが悪いんでしょ!?」
男「へ、呼んでた、俺を?」
妹「そーだよ……ご飯だよーって呼んでるのに、いっこうに降りてくる気配がないんだもん」
男「全く気づかなかった……」
妹「ふーんだ、妹の声が聞こえなくなるくらいまで、一体ナニを考えてたんだか」
男「なっ……!い、いや!お前が想像しているようなことは断じてしてない!誓ってでも!」
妹「はいはい。わかったからご飯だよ。冷めちゃうから早く食べよ」
男「ちょっと待ってくれ!俺の話を―――」