「幽霊に傘を貸すなんておかしな人ですね
でも…それではお借りします」
途中ごにょごにょとよく聞こえなかった
「ああ、また連絡してくれ
今度はちゃんととってから振り向くから」
と、メリーさんは笑顔で会釈した。
傘は壁を抜けられないので窓を開けメリーさんは雨の中へ消えていった。
さぁ、明日から忙しくなるな
そう思いながら開けっ放しの窓を閉じる。
と、同時に玄関のドアが開く音がした。
親が帰って来たのだろう。今日の晩御飯はなんだろうな。
蕎麦だったらいいな。
翌朝目覚めてカーテンを開けると
天気予報通り晴れていた。
いつもは外れる天気予報士にやればできるじゃないかと
心の中で褒める。
顔を洗い、朝食を取り学校へ行く準備を整える。
制服のネクタイを締めている途中でメリーさんは普段どこにいるのだろう
などと考えていた。
最近はメリーさんの事ばかり考えてる自分が気恥ずかしかった。
家を出てバス停へ向かう。
学校までは少し遠く、バスで10分そこから10分先が学校だ。
いつも通りバスを待つ。
バスが到着し中へ入ると同じ制服の中に
見慣れた顔を見つけた。