やがて校門が見えてきた。
この二人乗りが終わるとなると
少し名残惜しかった。
駐輪場へ自転車を止め
教室へと向かう。
ここではメリーさんとは会話をしなかった
メリーさんと会話をしていても
他の人から見ればただの独り言だ。
ただの変な人には思われたくないので。
教室に到着し、先日の席替えでゲットした。
窓側の席へと座る。
「それじゃあ、ちょっと友達に会ってきますね」
学校に友達なんかいるのかと聞きたかったが
「ああ」
と僕は短く小声でそう言った。
メリーさんが別れを告げ教室の扉に向かう。
それとすれ違いに浩平が入って来た。
そして僕の前の席へと座る。
「自転車は好かんが、徒歩となると不便なものだな」
「自転車を買えばいい」
「自転車は好かん」
そんな事を話していると担任が入って来た。