あんなにメリーさんが苦労してやりくりしている
滞在期間をこのちびっ子はタバコに使っていやがったのか。
「去年までは時間単位だったんだが
今年から時上げされちまってな」
花子さんは、まったくいい迷惑だとため息をついていた。
僕はどうも死んでからの仕組みを理解し切れていない
幸い昼休みはまだ残っているし、なんなら清掃の時間もある。
僕は花子さんにもう少し詳しい話を聞くことにした。
滞在期間は幽霊同士の間では
通貨のような役割をしている。
頼み事はもちろんの事、服から娯楽用品まで
大抵の物は手に入るらしい。
どこから運ばれてくるかを聞いたが
死ねばわかるよと含み笑いをして結局教えてくれなかった。
「タバコを吸ってるとき僕は花子さんが見えるから
特に違和感はないんだけど普通の人から見れば
タバコが宙に浮いているように見えるのか?」
「いや、これがうまい事できててな
私とタバコはセットのようなもんだ」
それから花子さんは仕組みの解説を続けた。