やがて女さんは泣きやむと、辺りはすっかり暗くなっていた。
男「・・・帰ろう。」
女「・・・笑わしてよ」
男「えええ?こ、このテンションだとちょいキツイかなぁ。」
女「・・・だったら、明日は今日の分も笑わせなさいよ」
男「うん。明日こそはチャップリン顔負けの笑いを届けるよ」
女「・・・期待しないで待ってるわ」
女さんと別れて、何と無く右の頬に触れてみた。
男「はは。結構思い切りぶたれたな。」
今日は、女さんを笑わせるつもりが思い切り泣かせてしまった。今日の事件を面白がって笑う奴も沢山いた。だけど、泣いたのは女さんだけだ。
男「・・・女さんも笑ってくれてたら、良かったのかなぁ?」
分からない。でも、頬の痛みは何だか俺の心をあったかくしてくれる。そんな気がする。
その日の夜は、全身が疲れてきっていて笑いの勉強をする間もなくベッドに入った。
男「・・・明日こそは、爆笑の渦に、女さんを巻き込んでやる、ぞ」
翌日
男「・・・なんだこれ。」
下駄箱を開けると、手紙が沢山入っている。まさか郵便ポストと間違えるわけも無いからたぶん、おそらく俺宛ての手紙。
友「おっ、おっ!不幸の手紙じゃね??」
その中の一枚を友が読み上げる。
友「何か必死な感じがかっこよかったです。はぁ?」
友はもう一枚手紙を広げる
友「胸がキュンキュンしました。ッザケンナよ!」
まだ俺の下駄箱を漁っている友を置いて俺は教室に向かった。