男「ちょ!女さん大丈夫?」
女さんは結構派手にこけていた。恐らくこの変な女の掛け声に驚いて腰を抜かしたに違いない。
男「女さん!しっかりしてくれ!」
女「アハハハ。駄目お腹痛い。」
男「え??」
意外にも女さんはお腹を抱えながら笑っている。
女友「男君、君とは一度話をしたかったんだ。ついて来て。あ、女っち、ちょっと男君借りるね」
男「は?」
女友「いいから」
俺は変な女に腕を掴まれ教室を出た。
男「女さん、ちょっと待っててくれ!」
そのまま屋上まで連れてこられた。この変な女はたぶん、俺に大事な話をしようとしている。雰囲気で分かる。
屋上に着くと、変な女は無言でフェンスまで歩いて行く。仕方がないので俺もついて行く。
女友「女っち、あんまり笑わないでしょ?」
変な女はフェンスにもたれると呟いた。屋上から見る街の景色はオレンジに染まっている。
男「・・・まあ、でもお前は笑わせてたな。正直悔しいよ」
女友「昔はもっと笑う子だったんだ。毎日バカみたいに笑ってた。」
男「昔?」
女友「ほら、私、幼馴染だからさ、昔から知ってんだ。」
男「へー。羨ましいな。」
変な女は俺から顔をそらすと、しばらく黙り込んだ。