幼「…あの」
店長「…なんだい?」
幼「…あの、これ…割れちゃった破片なんですけど…アクセサリーにする事って出来ますか?」
店長「…出来るよ」
幼「…お願いしてもいいですか?」
店長「…どうしてまた…アクセサリーに…しようと?」
店長「…どうしてまた…アクセサリーに…しようと?」
幼「……私、この硝子玉のお陰で色んなものが見えました。綺麗な虹だったり…人の良いところだったり…もどかしいところだったり……自分の、嫌なところだったり…他人の…ちょっと嫌なところだったり…」
幼「………その全部を、いい思い出にしたいなって思ったんです」
店長「……なるほど」
幼「…今更ですけど、硝子玉…割っちゃってごめんなさい」
店長「…かまわないよ…それは君のものなんだしね。…ふむ…前に来た時はどうしたらいいのか…君自身全くわかっていないようだったけど…今は自分の中で決着がついたみたいだね」
幼「…はい。決着、つきました」
店長「…そうか。それは良かった。…それじゃあその硝子片を良く見せてくれるかい…?どんなアクセサリーが適しているか…考えるから」
幼「はい…どうぞ」
店長「…ありがとう。……ん…?………これは……?」
幼「…どうかしました?」
店長「……………この硝子玉は…どういった経緯で…割れたんだい?」
店長「……………この硝子玉は…どういった経緯で…割れたんだい?」
幼「え…と……登校中に転んじゃって…その時制服のポケットに硝子玉を入れてたので…」
店長「……つまり…地面と自分の体で挟むようにして…割ってしまったと?」
幼「…そ、そうです…」
店長「……………そうか。それは災難だった…。硝子片が体に刺さったりしなかったかい…?」
幼「…大丈夫でした」
店長「……それは不幸中の幸いだったね…硝子片が体内に入ると…取り除くのが大変なんだ」
幼「そうなんですか…」
店長「……ふむ。…じゃあ…これは…ペンダントにでもしようかな。大きさもあるしね…ちょうどいいだろう」
幼「…ありがとうございます」
店長「……それじゃ、一週間くらいで仕上げよう…その頃にまたここに来てくれ。……ああ、もちろんお代はいらないからね」
幼「……本当に、ありがとうございます……それでは」
店長「………」
プルルルルルル…プルルルルルル…ガチャ
店長「…今時間は大丈夫か」
女「…手短にお願いできますか?」
店長「…ならば単刀直入にいこう。…硝子玉を割ったのはお前か?」
女「……どういう意味です?」
店長「…ついさっきあの女の子が来て…硝子片をアクセサリーにして欲しいと…頼まれた」
女「その時に…私が割ったと、幼なじみさんが言ったのですか?」
店長「…そうではない…。…硝子玉をどのようにして割ったのか…彼女に聞いたところ…転んだ際に、地面と自分の体に挟んでしまって…割れたと…そう言っていた」