【※崖の上のポニョ※】宗介「10年前、僕は5歳だったし、わけもわからずポニョを好きだと思ってた。でも…今は違う!」

宗介「リサ、なんだかポニョ具合悪いみたい。
寝かせてって。だから朝食いらないって」

リサ「珍しいわね…というか初めてじゃない?」

宗介「そうだね。こんなことは」

リサ「……まあ、朝食食べましょう」

宗介「うん……」ぱくぱく

リサ「……」ぱくぱく

宗介(友達としての好き)

宗介(恋人としての好き)

宗介(家族としての好き)

リサ「……」チラッ

宗介「……」

リサ「どうしたの?ボーっとしちゃって」

宗介「い、いや」

宗介「……リサ」

リサ「なあに?」

宗介「なんで…リサは耕一と結婚したの?」

リサ「ゴフッ」ゲホッゲホッ

宗介「……ごめん」

リサ「朝からヘビーなこと聞くね~」

宗介「ごめん」

リサ「結婚したのは好きだったからよ」

宗介「だよね」

リサ「でも大人になると若いときのようにはいかないものなの。
耕一はなかなか帰ってこなくなるし、私も仕事が忙しくなった」

宗介「うん……」

リサ「私は不安だったし、耕一もきっと不安だったわ。
だから…初めてポニョに会ったとき、私のこと疑ったんじゃないかな」

宗介「浮気を?」

リサ「いろいろと」

宗介「まあ…魚が人間になりましたって言っても信じられないよね」

リサ「私だって信じられない。本当はポニョのこと、すごく怪しんでる」

宗介「えっ」

リサ「だけど宗介がそう言ったから、信じてるのよ。だって私の宗介だもの。
でも、耕一は私を信じてはくれなかった。それで……」

宗介「……ごめん」

リサ「いいの。耕一とは夫婦じゃなくなったけど、今でもお互いに好きだし幸せだわ」

宗介「好き?」

リサ「ええ。好きっていろいろあるじゃない。形はともかく私は耕一が好きよ。
耕一も私のこと好きよ。そして二人とも、宗介が好き」

宗介「……朝食おいしいね」ぱく

リサ「ふふふ」ぱくぱく


宗介「ねえ、リサ。僕、小さい頃はポニョのこと好きだと思ってた。
ポニョも僕のこと好きだって言ってくれる」

リサ「今、宗介はポニョのこと好きじゃないの?好きでしょ」

宗介「そりゃ好きさ。あんな性格だから、最近はついイライラして怒ってしまうけれど」

リサ「ならいいんじゃない?」

宗介「でも、僕の好きは小さい頃の好きとは違うよ」

リサ「そうだろうね。だって小さい子供の“好き”って本当に単純に純粋に“好き”だから。
宗介はもう高校生だから、いろいろな“好き”がわかるでしょ?
私のさっきの話も、ちゃんと理解できる」

宗介「うん……」

リサ「でも、ポニョは違うの。小さいときと変わらない。ただ宗介が好き」

宗介「だから困ってるんだ。きっとポニョは“好き”がわからないんだよ。
必ず恋人のようにならなくてもいいのに。友達とか、家族とか……。
それなら僕だってポニョが好きだ」

リサ「でもね、宗介。本当の運命のような“好き”はあんがい単純で純粋だったりするものよ。
小さい子の“好き”みたいにね」

宗介「……」

リサ「ポニョは運命だったのかも」

リサ「だから魚から人間になったんでしょ?宗介が本当に好きだから」

宗介「でも、僕はポニョのこと……」

リサ「それでもいいんじゃない?
好きにはいろいろあるし、ポニョの純粋な好きって気持ちは宗介といるだけで
満たされると思うからさ」

宗介「そんなもの?」

リサ「そんなものそんなもの。あまり難しく考えるとハゲるわよw」

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