男友達「うっうっうっ」ぐすん
男友達(振られた…振られた……)
男友達(しかもクミコちゃんは宗介が好きだなんて!!)
男友達(あいつのどこがいいんだ。クミコちゃんは見る目がない。俺の方がいい男だ)
男友達(きっと、二人は幼なじみだから、それを恋だと勘違いしてるんだ)
男友達(でも俺の気持ちは本物だ……)
男友達(宗介の奴……俺のクミコちゃんをそそのかしやがって……!)
男友達(だいたい宗介、お前にはポニョとか言う赤毛の女がいるんじゃないか!!)
男友達(クミコちゃんの気持ちも考えずに……糞!)
男友達(もしかしてアイツ、クミコちゃんの気持ちを知ってて、俺の振られる姿を見ながら笑ってたんじゃないのか!?)
男友達(許せない!!絶対にだ!!)
宗介「おはよ……」
リサ「おはよう」
宗介「あれ?ポニョは?」
リサ「それが、起こしに行っても部屋に鍵がかかってて出てこないのよ」
宗介「なんだそれ」
リサ「ポニョ、どうしちゃったのかしら。宗介、悪いけど一度見てきてくれない?」
宗介「……わかった」
コンコン
宗介「ポニョー?リサが心配してるよ」
ポニョ「……」ぐすっぐすっ
宗介「ポニョ?いるの?」
ポニョ「……そうすけは」
宗介「ん?」
ポニョ「そうすけはポニョが嫌いなんだね……」
宗介「……いや、嫌いではないよ。でも迷惑かけないで欲しいんだ」
ポニョ「迷惑……」
宗介「僕には僕の人生があるから、それをポニョの気持ちだけで無理やり振り回さないで欲しいんだ。
ポニョは魚だったし、僕は人間」
ポニョ「でも、ポニョそうすけのこと好きなんだもん」
宗介「それは小さい頃の話だろ?ポニョは今も本当にそう思ってるの?
よく考えてよポニョ。心の奥底では違うんじゃない?
僕たちは違う生き物だったんだよ?今は同じ人間でもそれは変わらない事実だよ」
ポニョ「でもポニョそうすけ好き…」
宗介「好き好きって言うけど、ポニョは本当に好きってこと理解してる?
ポニョが僕に向けている“好き”は友達としての“好き”なんじゃない?」
ポニョ「好き……」
宗介「……朝ごはん、いらないならリサに言っておくけど?」
ポニョ「……うん、いらない。ごめんね、そうすけ」
宗介「じゃ…、僕今日は家に戻らずバイト行くから遅くなる。リサは泊まりがけだから、長い時間ポニョ家に一人だから」