人形が再び現れた
今度は夢の中ではなかった
夜物音で目を覚ました
家はアパートの一階なのだが、どうも窓の外の庭でカタカタなにかが音を立てている
風のせいかと思ったが、どうも気になって寝つけなかったので、片付けようと窓を開けるためカーテンを引くと、いた
夢で見た、女将が持ってきた、
あの人形だった
青みがかった髪が揺れている
風はない
カタカタ揺れているのは人形自体が動いており、コンクリートに足をうちつける音だった
カタカタカタカタカタカタカタカタ
ただ一点にとどまり揺れ続けている
以前の夢では、人形の表情など気に留めなかったが、今度は一目でわかる
怒っている
穏やかだがとてつもない憎悪の表情
どういう根拠かは説明できないが、とにかくそう直感した
オレはカーテンを閉め、布団にもぐり込んだ
音は夜明けまで続き、オレは眠ることができなかった
翌日女将にこの事を伝えた
やはりというか、女将の家にも人形は現れたらしい
寝室の隅でカタカタ揺れる人形を見て、恐怖のあまり家を飛び出し、寝巻きのまま朝までファミレスで夜を明かしたという
主人は気づかなかったとか
その日はとてもオレは家で寝る気になれず、友人の家に泊まった
その夜、女将から電話があった