しずか「わたしは……ひょっとしてのび太さんがドラちゃんを作るからかなって」
のび太「それじゃまるでターミネーターだ。それに僕にドラえもんは作れない」
出木杉「でも、僕らを殺さなきゃいけない理由って何だ?」
ジャイアン「俺たちは昔の冒険で未来の悪人に恨まれてることあるかもしんねぇ
けど、出木杉はそうでもないだろ?」
出木杉「いや、わからないよ。そんな区別してないのかもしれない」
ジャイアン「そうだ!これ……」
ジャイアンはポケットから銀色の筒と懐中電灯のようなものを取り出した。
のび太「!!……それは、空気ピストルに……ビックライト!?」
ジャイアン「ああ、おまえが部屋で倒れてるときにあいつらが落としていったんだ」
のび太はジャイアンの手から空気ピストルを受け取ると、指にはめてみる。
昔冒険の主力武器だった空気ピストル。懐かしく感じた。
空気ピストルをスネ夫から受け取った枕に向けて構える。
のび太「バン!」
何も起こらない。
ジャイアン「俺、思いっきりその空気ピストルに灰皿ぶつけちまったからな。それに、そっ
ちのビックライトはバッテリー切れらしい」
のび太「いや、完全に切れてるわけじゃないよ。たぶんあと一回……少しくらいなら使える
と思うよ」
ジャイアン「どっちみち、スモールライトもないんじゃ武器になんないな」
しずか「……武器?」
ジャイアン「え、ああ。またあいつらが来たらギッタンギッタンにしてやらなきゃいけない
からな!!」
しずか「また来るのかしら」
のび太「来るだろうね」
ジャイアン「あいつら、未来の痕跡は残せないとか言ってたぜ」
スネ夫「だから包丁だったんだ。ひみつ道具は下手に使えないんだよ、きっと」
出木杉「ならまだ勝ち目はある……といっても、いざとなったら向こうもひみつ道具を使っ
てくるだろうけどね」
スネ夫「パパが昔使ってた猟銃がある……僕の部屋だ。それを使ってくれ」
しずか「駄目よ、そんなの!相手が死んじゃうわ!」
スネ夫「僕は刺されたんだよ……これは昔の冒険とは違う。殺し合いなんだ……現代の道具
で立ち向かおうとしたら、そういうことになる」