のび太「今回は、ドラえもんもドラミちゃんも無しなんだ」
のび太は皆の顔を見回す。
戸惑うしずか。
怒りに燃えるジャイアン。
苦痛に顔をゆがめるスネ夫。
思案を練る出木杉。
のび太(この5人で戦うんだ……未来と)
ジャイアンは、翌日から剛田商店を休みにした。
ジャイ子もスネ夫も同じ病院なので、護衛がてら泊り込むことになった。
釣竿のケースに入れて、スネ夫の父の猟銃も病院に持ち込んだ。
のび太と出来杉としずかは平常どおり出勤することにした。
3人とも同じ藤子大学の職員であるので、むしろ職場にいたほうが安全と判断したためだ。
学生「野比先生」
のび太「ん?」
学生「研究室に情報工学科から電話がかかってきてます。メールに返信がないからって」
のび太「ああ、ごめんね。今日パソコン見てなくて……出木杉先生?」
学生「はい」
のび太「わかった。すぐ行くよ」
のび太「もしもし、出木杉くん? 僕だけど」
出木杉『ああ、よかった。何かあったのかと思ったよ……どこにいたの?』
のび太「DR-1の共同研究室だよ。機械をいじってないと落ち着かなくて」
出木杉『DR-1……ドラえもんのとこだね』
のび太「うん。初期の対話システムだけ組み込んでみた。電源を入れると挨拶するやつ」
出木杉『そう。順調?』
のび太「うん、ちゃんと時間ごとに違う挨拶を聞かせてくれたよ。時間があまったからね…
…ついでに面白いものも作ったよ」
出木杉『面白いもの?』
のび太「今度見せるよ」
のび太「で、空気ピストルはどうだった?」
出木杉『そうそう。それをメールしたんだ。あれはすごいナノマシンだよ』
のび太「だろうね。あのサイズで空気圧縮や音声認識をやるんだから……」
出木杉『こっちでの詳しい解析結果はメールに添付しておいたから。あとは、そっちの専門
分野だろ?』
のび太「厳密には違うけど、とりあえず了解」
出木杉『それと、しずかちゃんがお昼一緒に食べようって』
のび太「ああ……わかった。生協?」
出木杉『うん、12時50分に』