男「今週もお疲れ様」
後輩女「はい、お疲れ様でした」
男「ごくごく……ふぅ、ほんと、お疲れ様。木更津の件、引き受けてくれてありがとう」
後輩女「こくん、お礼を頂く程のことじゃないです。いずれはわたしの仕事になることですから」
男「君の覚えの早さにはいつも驚かされてるよ。日に日に身に付いてるよね」
後輩女「あなたの教え方が良いのです。全部あなたのおかげですよ」
男「それはどうも」
後輩女「こくっこくっこくっこくっ……ぷはっ、仕事のお話はこれくらいで止めましょう。明日はお休みですから、今夜も色々お話したいです」
男「あぁ。時間を気にしないで、疲れて眠くなるまで話そうか」
後輩女「ゆっくり、二人きりで……ふふっ、いつも二人ですけど、やっぱりあなたの家に二人でいるとドキドキします」
男「そうかい? もう何回か来ているだろう?」
後輩女「何回来てもこれは変わらないです。近いうちに一緒に暮らすことになったら、ずぅっとドキドキしたままかもしれません」
男「それじゃ身体がもたなそうだねぇ。君は心臓が悪そうかい?」
後輩女「あなたが肺でわたしは心臓ですか……また他人事の様に言ってますけど、あなたはドキドキしないの?」
男「それはね、ドキドキしてるよ。出てないかな?」
後輩女「こくっこくっこくっ、けぷっ、良いじゃないですかそんな無理して隠さなくても」
男「それ空いた? はい、次」
後輩女「ありがとうございます。桃ですね、ももももももも、ももももも」
男「隠してるつもりはないんだけどね。出ないんだよ」
後輩女「こくっこくっこくっ、ふひゅぅ、意識して出してくれないと、わたしがわからないのっ。ちゃんと表現して」
男「ドキドキしてる姿は自分から見せる必要無いだろう? そうでなくてもいつでも君のことを考えてるよ」
後輩女「あなたはクール過ぎ。もっともっと色んなあなたを見せるべき」
男「善処しますよ」
後輩女「善処じゃなくて、見せて」
男「どんな俺を?」
後輩女「ごくごく……ふぅぅ、そうねぇ……」
男「エビフライもう一本食べて良い? 今度は醤油で食べたい」
後輩女「ふぅむ……怒ったあなたは見たこと無い」
男「君に怒ったことは一度も無いよね。良い子だから」
後輩女「子供扱いは駄目。はい、キスして」
男「………………」
後輩女「ん……そんな軽く?」
男「どうせ後で酔ったお姫様に襲われるから、今はこれでお仕舞い」
後輩女「嫌なの?」
男「まさか。ただ、痛いのと苦しいのは勘弁してくれ」
後輩女「痛くしてるつもりなんてない」
男「それでも俺は痛い時があるんだよ。頭を掴んでる手が強かったり、舌を噛んだりするだろう?」
後輩女「こくっこくっ……」
男「そういう時も俺は怒ってないけど、いい加減にしないと俺も限界があるからね?」
後輩女「わたし……」
男「言うこと聞いてくれないなら、君のタイミングでは始めなくするよ?」
後輩女「酷い……わたしがキスしたくても拒否するの?」
男「そうなるよ? それから、俺からする時は君はなるべく動かない……所謂マグロだね」
後輩女「嫌っ! そんなの嫌! わたしだってあなたを感じたいのに!」
男「じゃあもう両手でヘッドロックしたり、首を掴んで無理やり屈ませたり、寝てる時に服を脱がせたりしないでね?」
後輩女「むー、最後がおかしい気がする……」
男「同意の下じゃないんだからねぇ……あれは無いよなぁ」
後輩女「わ、わたしだって寝ぼけてて……意識は半分無かったし……」
男「あれで君の性欲の凄さがわかったような気がするよ」
後輩女「は、恥ずかしがりなんてしませんからねっ! それが、あなたへのあ、愛なんですから!」
男「無意識の愛か。それも怖いね。もう一度同じことがあったら、結婚しても寝室は別にしないと駄目かな」
後輩女「やーっ! そんなのいーやーっ! ずっと一緒に寝るのっ!」
男「あれからはずっとビクビクしながら寝てるんだからね? 君が寝返りを打つ度に目が覚めるよ」
後輩女「むー! さてはまた言葉攻め!? わたしをいじめて楽しんでる!?」
男「違うよ。つまり、あれがちょっとしたトラウマってこと。一人の時は安心してぐっすり寝られる」
後輩女「ごくっ! ごくっ! ごくっ!」
男「信頼回復にはしばらくかかりそうだね。ま、君が普通に寝てくれれば問題無いから」
後輩女「……ふにゅぅ、これも空いたから、次!」
男「はい、シークワーサー」
後輩女「嫌いって言ってるでしょ!? 意地悪!!」
男「くくくっ、君は怒ってても可愛いよなぁ」