「――野原、しんのすけさんですね?」
「は、はい……」
面接室は、無駄に広い別の会議室だった。
そこに、試験官が2人いた。どう見ても、普通のおじさんだが。
「それでは、さっそく面接を開始します」
「は、はい!」
「……これから、あなたにいくつか質問します。その質問に対し、嘘偽りなく答えてください。なお、あなたの座る椅子には、ポリグラフ装置が組み込まれています。きちんと、答えてください」
「ポリグラフ……」
(つまりは、嘘発見器か……)
変わった面接だと思う。
通常、面接では大多数の人が本音を隠して受け答えをするし、企業側もそれを百も承知するはず。
なんだろうか。正直に言う人間に信用を置くのだろうか……
そして面接官は、重い口を開いた。
「――では、始めます……」
「………」ゴクリ
「……今まで、重火器等を用いて、人を撃ったことはありますか?」
「…………………はい?」
「また、それにより、人を殺害したことはありますか?」
「いやいやいやいやいやいや……ちょっとちょっと……」
「むぅ……ポリグラフが乱れていますね。一度、落ち着いてください」
(落ち着けるかあああああああ!!)
なんだこの質問は!?ポリグラフなんて使う必要もないだろ!!なんだこれは!!ふざけてるのか!?
……そこで、オラは察した。
きっとオラは、見かけだけで落とされたのだと。だからこそ、適当な質問をされているのだと……
おそらくは、これからも無茶苦茶な質問が来るだろう。
なんだか、凄く頭にきた。それに伴い、やけに頭が冷静になっていく。
(……いいさ。どんな無茶苦茶な質問でも、何でも答えるさ。オラの経歴に驚くがいい……!!)