【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

それから少ししたら、試験管がやって来た。
年配の、とても小さい人だった。プルプル体が小刻みに震えている。
オラも浮いているが、オラよりもっと浮いていた。

「……えぇ、それでは、試験の説明に入らせていただきます。
試験は3日に分けて行われます。それぞれ、面接、体力、実技を行う予定です」

(実技って……何の?)

「それでは、さっそく始めますね。――ではまず、グルチェンコフさん」

「俺ノ出番カ!!採用ハ俺ガモラウカラナ!!HAHAHAHA…!!」

ゴリマッチョのドデカイ外国人さんが、片言で出ていった。ロシア人だろうか。
……てか、あんな人も受けてるんだ……

そこに来て、もしかしたら、すんごく変なものに応募してしまったのではと思い始めた。
だって、どう見てもパソコンとか使えそうにないし。
重火器使わせたらランボーより強そうだし。

全員が、まるで戦闘前のように瞑想にふけってる。
よく見れば、思い切りミリタリーチックな服装をしている人もいた。
スーツは、オラだけだった。

(……あいちゃん。オラに、何をさせようとしてるの……)

周囲を横目で見渡した後、溜め息を吐きながら、項垂れるしかなかった。

それから、続々と歴戦の猛者共が呼ばれていった。
全員が一様に、気合を入れて出ていく。
この人達は、戦地にでも赴くのだろうか……まあ、ある意味戦場ではあるけど。

どう考えても、会社員より兵隊さんが合ってると思うけど。

「――次の方……しんのすけさん!」

「あ―――はい!」

ついに、オラの名前が呼ばれた。

「……オイオイ見ロヨ」ヒソヒソ

「ナンダアイツハ。マルデモヤシジャナイカ」ヒソヒソ

「ダガ、俺達カラスルト、ライバルガ減ッテ助カルナ」ヒソヒソ

「マッタクダ。HAHAHA…」ヒソヒソ

メチャメチャ笑われてる。ていうか、片言なのにやけに達者だな。
確かに、ここにいる奴から見れば、俺は笑いの対象だろうけど。

なんだか居心地が悪くなったオラは、足早に面接会場へ向かった。

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