叫び声は海に消えて、また砂浜に静けさが戻る。
その友を驚いた顔で見ていた花さんの線香花火が落ちた。
決意を決めた顔で、駆け出して、叫ぶ。
花「ともくうううううん!」
花「好きだよおおおおお!」
叫ぶと友の横に駆け寄る。
二人の距離は今までに無いほど近い。
池くんの花火も落ちる。
池「くそがああああああ!」
池「なんで俺にはああああああ!」
叫んだ池くんの顔は、何かが抜け落ちたようにスッキリとしている。
夜の砂浜にパチパチと小さな音が響く。
残ったのは俺と、女さん。
女「私ね……」
女「線香花火が好きなんだ……」
女さんの線香花火が揺れる。