『おばちゃんがんばって』
『うまれたあかちゃんみせてね』
『かわいいあかちゃんをうんでください』
みさえ「………」
折り紙の裏にクレヨンで書かれていた寄せ書き。
1人一言ずつだったが
少しでもみさえの励みになればと園長が考えてくれたことらしい。
ひろし「これは先生たちからだ。」
4通の手紙を渡した。
幼稚園の先生達みんなが
みさえに宛てたものだった。
みさえ「……ぅぅ…。」
みさえは涙を堪えることができなかった。
みさえ「ありがとね、しんちゃん。」
みさえ「明日みんなにありがとうって言っておいてね。」
しんのすけ「かあちゃん。」
みさえ「ん?な~に?」
しんのすけ「…なんでもない。」
みさえ「ん?へんな子ね。」
ひろし「みんなに心配かけてるんだ。早く元気な子を産んで、安心させてあげなくちゃな!」
みさえ「うん、そうね!」
みさえ「…あら?」
しんのすけ「……すぅ…すぅ…」
みさえ「しんのすけったら寝ちゃってるわ。」
ひろし「え?…あ、本当だ。」
みさえの横でベッドにもたれかかって眠るしんのすけ。
その寝顔うまれた時と同じように見えた。
みさえ「しんちゃんも大きくなったわね…」
ひろし「そうだなぁ。」
ひろし「でも、まだまだ大きくなるぞ!」
みさえ「………」
ひろし「どうした」
みさえ「…ねぇあなた。私、絶対元気な赤ちゃん産むから。」
みさえ「元気な赤ちゃんを産んで、しっかり育ててみせる。」
ひろし「うん…」
みさえ「しんのすけやこの子が大人になっていくのをそばで見守っていくの!」
ひろし「………うん」
みさえ「やりたいこともいっぱいある。行きたい所もいっぱいある。しんのすけやこの子としたいことも、まだまだいっぱいある!」
ひろし「……うん」
みさえ「だからね…私、」