みさえ「え?」
看護士「しんちゃんの分よ!おにぎりと卵焼きとリンゴジュースが入ってるわ。」
みさえ「そんな、悪いですよ」
看護士「いいのよ、しんちゃんにはいつも笑わせてもらってるから。この前もナースステーションでね、おしり出してなんだか面白い踊りを見せてくれたのよ。」
みさえ「あのおバカ…」
看護士「いい子じゃないの!しんちゃんがいるだけで、まわりが明るくなるわ。」
みさえ「そうですかね」
看護士「そうよ。しんちゃんがあんなにいい子なんだから、お腹の子もきっといい子に育つわ。だからしっかり食べて、元気な赤ちゃんを産みましょう!」
みさえ「…ええ!」
しんのすけ「う~ん、かあちゃん?」
みさえ「あらしんちゃん、やっと起きたの」
しんのすけ「うん」
看護士「は~い、しんちゃん。おはよう」
しんのすけ「…だれだっけ?」
看護士「あら、まだ眠いのかしら?まあいいわ、またナースステーションに遊びに来てね。じゃあ」
みさえ「はい、ありがとうございますした。」
しんのすけ「かあちゃんはらへったー。」
みさえ「はいはい。しんちゃんの分もあるわよ。」
しんのすけ「おお!」
みさえ「あとでさっきの看護婦さんにお礼言っときなさいよ」
しんのすけ「もちろんだゾ!」
ベッドに座り
みさえとしんのすけは
2人で朝食を食べ始める。
こんな風に
しんのすけと2人で朝ご飯を食べるのは久しぶりだ。
みさえ「しんちゃん、おいしい?」
しんのすけ「う~ん、ちょっと薄味ですな」
みさえ「あらま…」
しんのすけ「あれ?かあちゃん食べないの?」
みさえ「え?ああ…、なんかお腹減ってなくて」
しんのすけ「ダメだゾ!しっかり食べなきゃ、あかちゃんがおおきくなれないゾ!!」
みさえ「ふふっ。はいはい。わかってますよ。」
しんのすけ「まったくもう。」
つわりは終わった。
多分病気のせいなのだろう…
食べ物があまり受け付けなくなってきていた。