【※クレヨンしんちゃん※】「…奥さんは、癌です。」 みさえは赤子を身籠っている身でガンと宣告され・・・

でも、しんのすけに心配をかけさせるわけにはいかない。

そう思い少しずつ、少しずつ食べ物を口に入れていった。

みさえ「そういえばしんちゃん、パパは?」

しんのすけ「…さあ」

みさえ「ふーん、しんのすけほったらかしにして何やってんのかしら?」

しんのすけ「…オラ、ちょっと探してくるゾ」

みさえ「あ、ちょっとしんのすけ!」

――――屋上

……………

気がついた時はもう朝だった。

夜のあんまり記憶がない。

寝ていたのか
それとも起きていたのかもあいまいだ。

こんな感じは
仕事帰りに飲んだ時以来だ。

みさえが入院してから酒は飲んでいない
川口の誘いも断り続けている。

ひろし「ビール飲みてぇなあ……」

バタン!

屋上の扉が閉まる音がした。

ひろし「…しんのすけ」

しんのすけ「父ちゃん。」

しんのすけは黙って小さな袋を渡した。

ひろし「?」

その小さな袋の中には
小さなおにぎりが入ってあた。

ひろし「お前…」

しんのすけ「きょうはおしごとでしょ?あさご飯はしっかり食べないとおからだにわるいゾ!」

ゴルフボールくらいの小さなおにぎり。

きっと自分のを半分のこしてくれたのだろう。

よく見れば、握り直したあとがある。

ひろし「うぅ…」

息子の前で泣くのは
これで何度目だろうか

ひろし「ありがとうよ」

そう言い
しんのすけがくれた小さなおにぎりを食べた

ひろし「…うまい」

しんのすけ「とおちゃん、オラもがんばるゾ。…だから、とおちゃんもがんばるんだゾ!」

ひろし「おう…!」

立ち上がり
涙を拭った。

ひろし「よし!行ってくる!!」

そう言い、
ひろしは会社に今日も向かうのだった。

――――病室

医師「……わかりました。では、すぐに」

みさえ「ありがとうございます。」

▼ 続きは次のページにて♪ ▼
前のページへ 次のページへ