しんのすけ「…父ちゃん」
ひろし「なんだ?」
しんのすけ「ふん!」
ひろし「いたっ!」
しんのすけ「父ちゃんのおバカ!!」
ひろし「!!」
しんのすけ「かあちゃんは死なないゾ!あかちゃんもちゃんとうまれてくるゾ!!どっちも死んだりなんかしないゾ!!」
ひろし「しんのすけ…けどな」
しんのすけ「けどじゃない!!」
そのまましんのすけは走り去っていった。
しんのすけのいなくなった屋上で、ひろしはただただつっ立っていた。
…今自分は何をしたんだろうか。
ひろし「…最低だな。」
しんのすけに答えを求めてどうする。
5歳の息子に助けを求めて恥ずかしくないのか
しんのすけは言った
みさえも赤ちゃんも死んだりなんかしないと
そうだ
その通りだ
そのことを俺が信用しないでどうする
ひろし「くそ…くそ!!チクショウ!!!」
――その夜
ひろしは1人屋上のベンチに座り
自分の不甲斐なさに
ただただ泣き崩れた。
―――翌日
しんのすけはみさえの病室で一夜を明かした。
しんのすけ「かあちゃんとねる!かあちゃんとねる!」
そう言って駄々をこねたのだ。
もしかしたら
ひろしに対するしんのすけなりの優しさだったのかもしれない。
男には1人になりたい時もあるのだ。
みさえ「しんちゃん、いい加減に起きなさい!」
しんのすけ「zzzz…」
みさえ「全く…しょうがない子ね。」
看護士「野原さーん、朝食ですよ。」
みさえ「あ、はーい。」
看護士「今日は魚ね、日本の朝ご飯よ。それから…これ。」