医師「いえ。…では」
ガラッ
みさえ「あら、しんちゃん。」
しんのすけ「とおちゃんはおしごとにいったみたいだゾ」
みさえ「ふーん、そうだったの」
しんのすけ「またくるって」
みさえ「…そう」
しんのすけ「?」
しんのすけ「かあちゃん、どうかしたの?」
みさえ「ん?別に。それよりしんちゃん、今日はおうちに帰りなさい。むさえに迎えに来てもらうから。」
しんのすけ「ほ~い」
みさえ(あら、やけに素直だこと。)
しんのすけ「…………」
それからしばらくして
しんのすけはむさえと一緒に帰っていった。
夜、ひろしが来たが
特別なこともなく
話をしたあと帰っていった。
それからの毎日は、
また普通に過ぎていった。
こんな普通の毎日がずっと続いて欲しかった。
幸せな時間
家族との時間
それだけでいい、
他に何もいらない。
ただ、家族と一緒にいられる時間がほしい!!
そう願い続けた毎日でもあった。
そして
その日はやってきた。
しんのすけ「…………」
「ストレッチャー!!はやく!!」
「血圧計ります!!」
「野原さん!!聞こえますか!!野原さん!!」
「誰か!ご家族に連絡入れて!!」
いつもと違う騒がしい病室の中で
いつもと様子の違うみさえの姿を
しんのすけはただ黙って見ていた。
「運ぶよ!!」
「「「1、2の、3!!」」」
どこかへ運ばれていくみさえを追いかけることもしなかった
しんのすけ「………」
―――手術室
「バイタルチェックして!!母子共に!」
「はい!」
「麻酔科の先生は?」
「あいよ!」
「開腹の用意、帝王切開を行う。」