【※クレヨンしんちゃん※】「…奥さんは、癌です。」 みさえは赤子を身籠っている身でガンと宣告され・・・

幼稚園の先生、
しんのすけの友達の親御さん、
ご近所の方々

こんなに大勢の人に愛されていたんだな……

花に囲まれた棺と遺影。

みさえの体をあの棺にしまう時、赤ちゃんの写真も入れてやった。

顔も見ずに逝っちまいやがって……

「~~~~~~~~」

坊さんがよくわからないお経を唱えている

周りの皆さんは頻りにハンカチを目に当てている

俺にはもう
涙は残っていない

しんのすけ「…………」

しんのすけは昨日からあまり喋らなくなった

ショックが大きかったのだろう。無理もない

ひろし「………」

通夜が一段落し
ひろしはしんのすけを外へ連れだした。

しんのすけ「なにとうちゃん?」

ひろし「しんのすけ、お前…赤ちゃんの名前を決めてみないか?」

しんのすけ「え?」

ひろし「だから、お前が赤ちゃんの名前を考えるんだよ。」

しんのすけ「…どうして?」

ひろし「みさえの…母ちゃんの頼みだからさ。」

しんのすけ「!!」

――――少し前

医師「野原さん…お渡ししたいものがあります。」

そう言い
医師はひろしに分厚い封筒の束を渡してきた。

ひろし「これは?」

医師「みさえさんが書き残していった遺書です。病室の棚から見つかりました。」

いくつもの封筒が髪を縛るゴムで束ねられ、その一つ一つには、名前が書いてあった。

ひろし「あ…」

見つけたのは”あなたへ”と書かれた封筒だった。

医師「では…」

医師が帰ったのを見送ると、ひろしは封筒を開けた。

みさえ「あなたへ…」

みさえ「まず、子ども達を残し先に逝くことを許してください。
あなたに責任を全て押し付けるようなことをしてしまい、本当にごめんなさい。
出来れば、私も
あなたのそばで
しんのすけやお腹の子の成長を見ていたかった。

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