彼女が帰ってくる時間に何とか間に合って。家で何事も無かったかのように装ってたけど、
「お帰り。」言って座ってたら、横来ても座らずに、膝立ちで頭に手乗せて。撫でられて。
「どして?」「なんとなくですけど。」何かおかしくて。「逆じゃね?」「たまには。」
多分平静装いきれてなくて。婆ちゃんの事だけでなく他に何かあったと、気付かれてて。
どんな意図だったかは解らないけど、とにかく優しい手で。されるがままになってたら、
軽く頭抱えられて。よしよし。完全にそんな感じで。泣きそうになって。
「いいですよ。」彼女の言葉に首振ったけど、そのままでいてくれて。何とか我慢できて。
彼女の優しさは嬉しかったけど、かなり反省した。この子に気遣われたらいけないなと。
どうにか前向いて進める精神状態に戻せて。試験勉強にもやっと、力入れられた。
帰れなかった年末年始は、彼女とお婆さんの部屋で一緒に過ごした。
部屋暖かくして。こたつ入って。テレビ見ながら、年越しそば食べて。ごく普通の年末。
「ゆるい正月やね。」ぜんざい用の栗剥きながら、お婆さんが言ったのが印象に残ってる。
近所の神社で学校の友達と合流して初詣、そのまま新年会の約束してて。彼女も一緒で。