入院の後くらいから、見舞い来てくれた何人か彼女と仲良くなって。集まりにも呼ばれだして。
女の子達は俺と同年齢か少し上だから、彼女にはお姉さん的な感覚で世話やいてくれて。
今思えば、学校以外は殆どの時間を俺かお婆さんとしか過ごしてないってのは、普通じゃなくて。
人と会って話す機会が増えたのは、教育上?いい事だったのかなとも思う。
でも結構いらん事も吹き込んでくれて。困る事もあって。と言うかそれを楽しまれてて。
酒入ってくるとだんだん話題がやばい方向になる事があって。新年会がまさにそれで。
一番広い部屋住んでたやつの所に集まって部屋飲み、あとは自由って感じの新年会で。
俺が男二人と鍋の後始末やってる時に、彼女が何人かに部屋連れ出されて。
戻って来てすぐ脇に来た彼女、顔赤くて。妙に近くて。これは何かあったなとすぐ解って。
でも今聞いたらやばいと何か直感的に感じて。そのタイミングでは聞かずにいた。
色々やってて、彼女の瞼が落ちだしたのが四時くらいで。俺らは先抜けする事にして。
タクシー呼ぼうとしたら「勿体ないです。」彼女が言ったから、距離あるけど歩く事にして。
不意に彼女に手を繋がれて。外ではあんまりしない事だから、ちょっと戸惑って。
「さっき、何話した?」「はい?」「部屋出たとき。」「あ、う。え、えっと。」異常に動揺して。
「ん?」「え、あは。お兄ちゃんとどこまで進んでるのかとか。」あのバカ共はと。
さすがに呆れてたら「でも、ちゃんと、まだ何もして貰ってないって言いましたから。」
ほてった顔で一生懸命言った彼女だったけど、その答えもまた問題アリで。笑えてきて。
多分今頃、いい酒の肴にされてんだろうなとか思いながら、彼女の歩調に合わせて歩いた。