いくら呼び掛けても返事は無い
そしてみさえはそのまま集中治療室に入った
「しんのすけ!」
「父ちゃん!」
ひろしが息を切らして走って来る
ひろしに抱き着くしんのすけ
「かあちゃんが…かあちゃんが…!」
「しんのすけ!大丈夫だ、父ちゃんが来たからな大丈夫だ…!」
「野原さん…」
医者が話し掛ける
「先生!みさえは…みさえは!」
「旦那さん…お子さんを…」
「しんのすけ…父ちゃん先生と…」
「やだ!」
「しんのすけ…」
「オラはかあちゃんをお守りするんだゾ!絶対絶対動かないぞ!」
「…先生、こいつにも…しんのすけにも聞かせて下さい…」
「わかりました…」
「奥様は…このままお亡くなりになるまで意識を取り戻さない可能性が高いです…」
「…!」
「奥様の体は衰弱しきっています、今は点滴と酸素を送り込む事によって延命治療をしているに過ぎません…」
「そんな…」
「旦那さん…そしてしんちゃん…覚悟はしておいて下さい…」
集中治療室のガラスの向こう側