手術室の前でひろしはうなだれている
医者はみさえを軽く調べると顔色を変えすぐに手術室の空きを確認しひろし達には説明しないまま手術室に入った
「みさえ…無事で居てくれ…」
「とうちゃん…だいじょぶだゾ!かあちゃんは強いもん!」
「しんのすけ…そうだな」
しんのすけの頭を撫でるひろし
みさえが手術室に入って1時間ほど経とうとしたその時
手術中の明かりが消え、医者が中から出て来る
「先生!みさえは…みさえは!」
医者に詰め寄るひろし
「先生…かあちゃんは…?」
うるうるしながら問い掛けるしんのすけ
「お父さん…こちらへ」
医者は近くの診察室にひろしを誘う
「とうちゃん…」
「お子さんはうちの看護師に預からせます…」
看護師に手を引かれ離れるしんのすけ
そしてひろしは診察室へと入る
「旦那さん…落ち着いて聞いて下さい…奥様は…胃癌です、それも…かなり進行もしています、普通なら激痛で日常生活もままならない筈なのに…」
「は…?が、癌…先生…嘘でしょう?」
「旦那さん…事実です…奥様は癌…」
医者が言い終わる前に医者につかみ掛かるひろし