「ふざけんな!昨日まで…いやついさっきまで元気だったんだみさえは…さっきまで…元気だったんですよ先生…なのに…なんで癌なんですか!みさえが何したって言うんだよ!」
「奥様は貴方に心配をかけまいと気丈に振る舞っていたんだ!旦那さん!今の奥様に一番必要なのは貴方の支えですよ!」
その言葉を聞き手を離し崩れ落ちるひろし
「旦那さん、私たちも全力を尽くします…」
「はい…お願いしますみさえを…助けて下さい…」
涙声で言うひろし
「お子さんには言わないほうが…」
「いえ…息子には…しんのすけには伝えます…」
「しかし…」
「あいつは…男です…みさえを守ってやるのはあいつと俺の仕事なんです…しんのすけならわかると思います…必ず…」
ゆっくり立ち上がり診察室を出てしんのすけのいるナースステーションへ向かうひろし
「とうちゃん!」
ひろしの姿をみるやいなや駆け寄るしんのすけ
「しんのすけ…とうちゃん話しがある、男同士の大切な話だ」
「ほ、ほい…」
しんのすけの目線に合わせてしゃがむひろし
「しんのすけ…いいか…よーくとうちゃんの言うことを聞くんだ…かあちゃんは…みさえは…とっても重い病気なんだ…もしかするとかあちゃんは…」
「かあちゃんしんじゃうの?」
「…」
しんのすけの問いかけに黙ってしまうひろし
「うそだ…とうちゃんオラを騙そうとしてるんでしょそうでしょ?」
「しんのすけ…本当なんだ…これからは」
「かあちゃんの病気なんかやっつけてよ!とうちゃん強いんでしょ!大人でしょ!」
「とうちゃんにも病気は倒せないんだ…」
「父ちゃんのおバカ!父ちゃんの弱虫!かあちゃんが死んだらとうちゃんのせいだぞ!」
「!…しんのすけ!」
パシンッ
しんのすけの一言にカッとなりしんのすけを叩くひろし