こうして俺に彼女ができた。
家に帰ってから、俺は本気で頭をつかって考えた。
彼女ができた。しかも会長みたいな、ステキな人。
だけど、俺は素直に喜べなかった。
今からでも「ごめんなさい」と謝るべきなのでは?
会長と俺ではどう考えても釣り合わない。
しかし、同時に俺はとんでもない利益を得てしまった。
俺はケータイのディスプレイをもう一度見た。
表示された額は――
十万円。
漫画とかだと、生徒会というのは異様な権力をもってたりするじゃん。
現実の生徒会は想像のはるか下をいっていた。
選挙から四日後、俺たちは初顔合わせをした。
で、仕事の話になったんだけど。
「こんな数行の文章を先生にチェックしてもらう必要があるんですか?」
「もちろん」と会長はうなずいた。
朝礼のときに、生徒会からの連絡みたいなのってあるだろ。
時間にして三十秒にも満たない連絡でさえ、
事前に先生にチェックしてもらう必要があるらしい。