「実は留学費を稼ぐために、ファミレスでバイトとかもしてるんだ」
会長は自分のくちびるに指をあてた。
「バイトのこと、誰にも言ってないんだよ。ひみつね」
俺は何度もうなずいた。
このころになると、俺のバイト代はほとんど変動しなくなっていた。
以前のような、会長に対する後ろめたさは消えていた。
当たり前だった。
ウソはいつまでもウソではいてくれなかったんだよ。
俺は会長のことを本気で好きになってたんだ。
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会長のことを知れば知るほど、俺は彼女のことを好きになっていた。
しかし本気で好きになったからと言って、
今の状況が変わるわけじゃなかった。
俺が本気で会長を好きになるころには年をまたいでいた。
実はこのあいだに、クリスマスとかはいっしょにすごしたりしたんだよ。
ただし、会長の家で。しかも家族とだったけど。
俺たちはまだ手をつなぐことすらしたことがなかった。
