「お金がいらない? そんな馬鹿な」とおっさんが鼻で笑った。
お金をもらわないからどうなるんだって話だけど、
俺はそれが本気で正しい行動だと思ったんだよ。
「ああでも、そういえば同じことを言った女の子がいたな」
おっさんはそのまま続ける。
「ときどきいるんですよ、キミみたいな人」
[ad1]
「ウソで手に入れたお金ってことで、良心の呵責にたえられない人とかね」
「でも給料を支払うのは決まりだからねえ」
「お金をもらわなかったら、キミのやることが消えるんですか?」
おっさんの言うとおりだった。
結局バイトはやめたけど、お金はきちんと口座に振りこまれた。
まあとにかく、俺はまるで誰かの真似でもするように、
がむしゃらにありとあらゆることをがんばったわけだ。
だけど夏休み手前らへんで、一回思いっきり体調を崩したんだよ。
