「先輩、いつかボクに言いましたよね?」
「魅力があるものは時間をうばうって」と俺が言うと、会長は苦笑いした。
「よく覚えてたな、お前」
「かっこいいなって思ったんですよ」
「アレてきとうに言っただけだぞ」
「マジかよ」と頭をかかえそうになったけど、無理やり会話を続けた。
「ボク、思うんですよ。
時間もボクたちから、いろんなものをうばってるって」
あまりに当たり前のことを、俺はかっこうつけて言った。
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「そもそもこのバイトの給料基準って、いまいちわからなかったんですよね」
昨日ベッドの上で必死に考えた推測。
俺はそれを先輩に言ってみた。
実はバイトの面接を終えた段階で、気づいてもよかったんだよ。
もしウソの質が給料の基準だったとしたら、
バイトを早々にやめる人間が多い、というのはおかしいんだよ。
やめる理由はたぶんシンプルなものだ。
単純に給料がすくなくて、やっていても仕方がないから。
じゃあどうして給料があがらないんだって話になるよな。
長く続けりゃ、ウソのコツもつかめるようになるはずなのに。
