あなたはお母さんに口止めをお願いしたそうですが、お母さんは話してくれました。お母さんのことは責めないでください。きっとそのことを知らなかったら、私、すごく後悔したと思います。
修学旅行本当に楽しかったです。
あなたがいてくれて本当に楽しかったです。色んなところを見回りましたね。
写真ありがとうございました。私が写ってる写真、全部先生じゃなくてあなたが買ってくれたのでしょう?
感謝しています。あなたは私の表情を笑いましたが、今手元にある写真の中でもあなたの変顔はひどいですよ。
夏祭りに連れて行ってくれてありがとうございました。
金魚すくい、正直言うと夢中になっているあなたの横顔に見とれていました。
射的の時は……まあ、あなたも男の子なので仕方ないですよね。けど、熊さんのぬいぐるみは本当にうれしかったです。ずっと大切にしたかったです。
そして花火を見る時、隣にいたのがあなたで、本当によかった。あの夏のことは忘れられません。
進路調査、何を書いていいのか分かりませんでした。先の長くないこの体で何ができるのか、想像もできませんでした。
あなたが医者になろうとがんばっているのを聞いて、応援しようと思いました。あなたならきっと、いえ絶対、夢を叶えることができると思います。
ただ、私を治療するためにお医者さんになろうとするのは……それは、やめてください。私はもう、だめなんです。
文化祭、お疲れ様です。気づきませんでしたか? 私、実は行ってたんです。
といっても私服でしたし、学校にはほとんど行っていなかったから、誰も分かりませんでした。
劇も見ました。あなたが主演と聞いて楽しみでした。とてもうまい演技だったと思います。舞台の上で、主人公を務めるあなたは、カッコよかったです。観客投票で、ちゃんとあなたに票を入れました。といっても、私の票がなくても、あなたの演技は大差で1位だったと思いますが。
誕生日にくれた携帯電話は宝物になりました。両親も仕事の休憩に電話してくれたりメールしてくれたり、コミュニケーションがうまくいくようになったと思います。
このプレゼントはあなたが発案したそうですね。あなたはいつも、私のために、色んなことをしてくれます。
その度に私は、どんどんあなたへの借りが増えていってしまいます。もう返せそうにありません。
クリスマスプレゼント、ちょっとキザでしたね。雪を降らせるなんて、どこの少女漫画ですか。
けれど、一面の銀世界はとても美しくて、本当にきれいでした。といっても、私が一番みとれたのはあなたなんですが。
オルゴールは毎日聴いてます。あの音楽を聴いていると、なんだか私の体が楽になるんです。目を閉じると、音楽と一緒に、あなたの笑顔が浮かんで、励みになりました。