ひろし「え?あの?ボーッとした?」
しんのすけ「その、ボーちゃん」
ひろし「でかくなったし、眼鏡も掛けてるし…全然分かんないな」
しんのすけ「その…ショックじゃないの?」
ひろし「いんや」
ひろし「ショックがない訳じゃない…けど、三ヶ月前に後輩の川口に裏切られて、多額の借金背負わされた時よりは、全然ショックじゃない」
しんのすけ「ほう…感覚が麻痺してるって事ですな」
ボーちゃん「死んでると分かってくれるなら、話は早い…しんちゃん?」
しんのすけ「ほい!」
ボーちゃん「やっぱりしんちゃんは此処で待機。おばさんが来たら、この携帯で知らせて」
しんのすけ「ぶ、ラジャー!」
【廊下】
風間「僕らも手分けして探すよ!」
ネネ「私達には見えないし聞こえないけど、しんちゃんのママからは分かるんでしょ?」
マサオ「呼びかけて歩けば、おばさんには分かって貰えるもんね。僕は、念の為に部屋に残るけど」
ボーちゃん「…みんな」
ひろし「へえ?」
ひろし「もしかして、風間君とネネちゃんとマサオ君?いやあ、大きくなったなあ」
ボーちゃん「おじさん。心中した割には、メンタル強いですね」
風間「え?もしかして今、しんのすけのおじさんいるのか?」
ボーちゃん「死んだ事を、思い出したんだって」
ひろし「いやいや、皆さん。お手数お掛けしました」ペコリ
ボーちゃん「言っておくけど、僕以外には見えてないし、聞こえない」
ひろし「え…へ、へえ…」ニヤニヤ
ボーちゃん「今はいやらしい妄想をしている場合じゃ、ありませんよ」
ひろし「ば、違うよ!そういう事を考えた訳じゃ…」
ネネ「最低…」
風間「まあ、しんのすけの父親だしな」
ひろし「な、違うって!死者を冒涜するなよ!」
ボーちゃん「じゃあ、僕とおじさんは左。風間君達は右を探して」
風間「え?ボーちゃんとおじさんは別々の方が良いんじゃない?おばさんと話が出来るのは二人だけだろ?」
ボーちゃん「いや、確かにそうだけど…僕らは右から来た時、おばさんと会わなかった。多分、左に向かったんだ…僕達と鉢合わせたくなくて」
風間「じゃあ、まさかおばさんも…」
ボーちゃん「死んでると、気付いたのかもしれない」
ひろし「!」