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コンコンコン
「どうぞ」
がらがら
男「しつれいします」
「あ、君2年C組?」
男「あ、ハイ」
「じゃあみんな揃ったから会議始めようか」
秋になり、文化祭のシーズンとなった。
オレは、クラスから1人ずつ選ばれる、文化祭実行委員に立候補した。
今までのオレであれば、そんな面倒くさいものは決してやらなかった。
が、今のオレには少なからずやる理由がある。
オレは会議室に入ると、会議の進行を行う席に座る一人に目線を向けた。
ぴん、と背筋を伸ばして座るその人は、オレの目線に気付いたようだったが、すぐに何事もなかったように手元の資料に目を落とした。
「それでは、今日の会議はここまでにします。文化祭まであと少しですが、みんなで力を合わせて頑張りましょう」
男「はぁー」
がた
男「・・・」
がらがら
会議室を出たオレは、自分の教室に戻り、なんとなく時間を潰す。
そして時計の針が18時を過ぎ、行内から人影がほとんど消えた頃、3階の階段へ向かう。
男「・・・おう」
女「・・・ん」
男「鍵」
女「うん、はい」
男「下にいるから」
女「うん」
オレが、職員室に生徒会室の鍵を返して、1階の階段出口に向かう。
女「・・・ありがとう」
男「おう」
女「・・・っしょ」
とす
男「大丈夫か?」
女「え?何が?」
男「最近、ちょっと階段降りてくるの遅い気がして」
女「最近寒くなってきたから、ちょっと調子悪いのよ」
男「おい、大丈夫か?」
女「ふふっ・・心配?」
男「・・当たり前だろ」
女「毎冬のことだから大丈夫。あなただって、寒くなったら体動かすの面倒になるでしょ?私も冬は少し筋肉が動かしづらいの」
男「ああ・・なんだ、そういうことか」
女「うん」