男「やっぱり・・・ダメか?」
女「・・・・」
女「・・・・・条件があります」
男「ん」
女「せ・・・制服のままで・・デートはダメです。お互い一回帰って私服に着替えてからです」
男「お・・おう//」
男「じゃあ・・・まずお前を家まで送って、オレは一旦帰って着替えてから、もう一度お前の家まで迎えに行く・・・でいいか?」
女「・・・うん・・ごめんなさい。私のせいでたくさん歩かせてしまって」
男「・・・そういう事は言うなよ」
女「あ・・・ごめんなさい」
男「ん」
男「・・・」
ちゅ
女「!!」
女「がっ・・学校の中ではほっぺもダメ!!」
男「・・・ん」
オレは彼女との時間がもっと欲しかった。
オレにとって彼女が車椅子であることなんて、何も気にしていなかった。
だからオレは、普通の高校生同士を求めた。
オレたちを見る社会の目は、思っていたよりもずっと優しい。
オレはとっくに覚悟を決めていた。
だからあとは、彼女がそれを受け入れるだけ。
そう思っていた。
そう思っていたから、オレは一つの決断をした。
優しくも、頑なな、彼女がもっと素直になれるように。
彼女とオレの、幸せのために。
でもその決断は、たぶん間違いだった。
結果だけを見れば、その幸せは別れの始まりだったのだから。
「おーし、じゃあ今日の練習は終わりな」
「お疲れーっす!」
男「・・・なあ、新キャプテン」
「ん?」
男「ちょっと話あんだけどいいか?」
「別にいいけど、長くなるのか?」
男「いや、一瞬で終わる」
「?」