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3回目の桜の花が、季節の移り変わりを告げていた。
彼女の胸元のリボンの色は緑から赤になり、オレは理系クラスへと進んだ。
文系クラスの彼女とは、相変わらず違う部屋で授業を受けていた。
今思い返しても、クラス・ルームには彼女の映像が浮かばない。
放課後、オレたちは去年と同じように別々の場所へ行く。
グラウンドを走りながら校舎を見上げると、彼女の横顔が見えた。
夕暮れの廊下を歩く。
彼女はオレの前。
オレが平日に彼女と話すことができる唯一の時間だ。
男「なあ」
女「うん」
男「・・・生徒会活動って毎日あるのか?」
女「大体金曜の週1回よ。行事の前はもっとあるけど」
男「そうか」
女「?」
男「・・・例えば、オレが放課後部活の無い日があったら、どっか遊びに行ったりとか出来るか?」
女「え?・・・お母さんの仕事終わる時間変わらないからダメよ」
男「オレが、送るんじゃダメか?」
女「・・・・それだと他の人に見られてしまうから」
男「・・見られたからって・・・別に良いだろ」
女「私と・・・あなたの関係がばれてしまうわ」
男「違うって言い張ればいいだろ?」
女「・・・・いえ・・ダメよ。そうでなければ、あなたが毎日、私を送る理由がないもの」
男「・・・例えば、放課後は図書室に行って時間を潰して、部活やらない奴らが帰った頃を見計らって階段のとこで待ち合わせする」
女「・・・でも」
男「それで、門を出てしばらくして合流するんなら大丈夫じゃないか?」
女「・・・・でも」
男「・・・オレは・・・お前ともっと一緒にいたい」
女「っ・・・!」
男「お前は・・・・え?」
女「・・・うっ・・私だって・・一緒にいたいよ・・」ぽろぽろ
男「なっ・・泣くことないだろ・・」
女「だって・・・ひっく・・・・嬉しかったから・・」
男「・・・//」