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彼女と別れた次の日から、オレは初めて真剣に将来のことを考えた。
将来の自分のこと。
オレのとなりに彼女がいること。
彼女が不安にならないために、オレができること。
そしてそのために、今自分ができること。
出した答えは、平坦ではないが、月並みと言えばそうかもしれない。
ともかくもオレは、その未来に向かって走り出した。
夏が近づく頃、オレは久しぶりに彼女に電話をした。
男『もしもし・・久しぶり』
女『・・うん』
男『今平気か?』
女『大丈夫よ』
男『お前に報告しておきたいことがある』
女『うん』
男『前、メールで言った通り、オレ、志望校変えた』
女『ええ・・・かなり無謀な変更だったわね』
男『この前の模試、B判定だった』
女『・・・そう』
男『まだ半年あるとか、そういう甘えは言わない。試験の日までサボらず頑張る』
女『うん・・・頑張りなさい』
男『オレ、将来、お前と同じ職業目指すことに決めた。今度は本気で』
女『・・え?』
男『たぶんお前の事だから、俺より先に資格取っちゃうと思うけど、その後はオレに資格試験の勉強教えてな』
女『・・・気が向いたらね』
男『お前の勉強進み具合はどうなんだ?』