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センター試験は無事9割を超えていた。
二次試験の日の朝、オレは彼女に“行ってくる”とだけメールした。
試験が終わってケータイの電源を入れると“頑張りなさい”というメールがあった。
そして、3月のある日の朝、オレは都内の大学の掲示板の前に居た。
「これから合格者の掲示をいたしまーす」
男「・・・」
ばさっ・・・
男「・・・・・!」
男「・・・」
ピッ・・・ピッ・・ピッ・・・
trrrrrrrr・・・
男「・・・出ないな?」
男「・・・メールしとくか」
ピッ・・ピッ・・ピッ・・
その日の夜、オレは家族と外食し、家に帰ってベッドに横になった。
そして、ふとケータイに目をやると、メール受信を示す青いランプが光っていた。
『おめでとう。もしよければ次の土曜日、家に来てください』
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ピンポーン
ガチャ
女母「男君」
男「あ、おばさん。お久しぶりです」
女母「うん・・・合格したんだってね。おめでとう」
男「はい」
女母「・・・うん。上がって」
男「はい、おじゃまします」
オレはポケットに手を入れた。
うん、ある。
不思議な興奮と、期待が入り混じって、オレは約1年ぶりに彼女の家におじゃました。