男「そうか・・・お父さんは・・・?」
姫「・・・私が知らない時に死んだ」
知らない時・・・つまり物心つく前に死んだのだろう
姫「新しいお父さん・・・嫌・・・」
男「嫌・・・?」
ひどい目にあわせたのはこの新しいお父さんって人だろう
男「そうか・・・大変だったな」
そっと姫の肩を抱いてやると姫はまた違和感のある不思議な視線でこっちをみてきた
男「ん?俺どうかした?」
姫「なんでも・・・ない」
気がつくともう日付をまたいでいた
ザー・・・
雨は止まない
男「ゲリラ豪雨じゃなかったのかよ・・・」
姫「・・・・・・」
男「そのお父さんのところに帰りたく無いのか?」
姫「・・・・・」コクン
なんだか危ない気もするが・・・一日だけなら
男「雨が止むまでって約束だしな・・・泊まってくか?・・・・いや、もちろん変な気はないぞ?純粋に可哀想だからだ」
姫「・・・・泊まる。雨が止むまで」
話は決まったとなればあとは寝るだけ
男「そろそろ寝ないと・・・。で、寝る場所なんだが・・・」
ベッドは一つ布団はない。
寝る場所は一つしかない。
ここでアニメとかのカッコいい紳士は「フッ、君はベッドで寝たまえベイビー。僕はソファーで十分っさ」というところだろう。
しかし、この季節でそれをやると・・・死ぬ。
凍死する。
男「我慢できるか・・・?俺なるべく小さくなるからさ・・・?」
姫「大丈夫・・・慣れてるから」
男「慣れてる・・・?」