【家】
男「……………ただいま」
妹「……お帰りお兄ちゃん。どうしたの」
男「兄ちゃんはなぁ……今大きな壁にぶち当たっているんだ……才能という壁にな……」
妹「な、なんかわかんないけど……どんまい」
男「うう、ううう……」
【部屋】
ドスン
男「ふう………」
男(あーーー……ベッド気持ちいいーー……)
男「………スマホでもするかぁ」
男「ん、女からLINE来てる」
女『思い出した。男くん、昨日後輩ちゃんとデートしてたんじゃないでしょうね』
男「………………ふ」
男『ばーーか。少しは俺のこと信じろよ』
女『私だって信じたいよ。でもさ、でもさ…』
男『お前のそういうところも好きだから、別にいいんだけどな』
女『えっ……』
男『でもさ、やっぱり自分の好きな人に、自分の気持ちを疑われるっていうのは、やっぱ辛いよ』
女『う、うう………』
男『お前だって、嫌だろ?俺が逐一お前に「浮気してないか」「浮気してないか」なんて言ったら』
女『う、うん………』
男『だったら……俺の言ったことは100%信用しろとまではいわないけど、少しは信用してくれてもいいんじゃないか?』
女『……そう、だね。ごめん。私、自分の気持ちでいっぱいいっぱいで……』
男『あー謝らなくていいって。言ったろ?俺はお前のそういう……なんか、ひたむきなところが、好きなんだ』
男『お前はお前でいてくれていい。自己否定なんてする必要は無いんだ』
女『……やっぱり、男くんは優しい』
男『彼女には優しくするのが、普通の男だ』
女『……そうだね。私は、男くんの彼女なんだ』
女『よし!ちょっと自信ついたよ。ありがとう男くん。時間取らせてごめん。文化祭近いもんね?』
男『いいっていいって。息抜きも必要だしな。お前も空手、頑張れよ』
女『もちろん!それじゃ、また明日』
男『ああ、また明日……』